6/30は我が家にてパートナーである玲子の
臨月ダンス公演
『〜立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花〜』だった。
妊娠中3回も公演して、
しかも臨月に踊るダンサーはそうはいないだろう。
『臨月に踊る』という事は
これから産まれこようとする命と
無関係に踊る事はできない。
そういう意味で親子2人でのデュエットだった。
「この子がいつ産まれてくるのか?本当に産まれてくるのか?」ということと
「私は本当にこの状態で命の踊りを踊りきることができるのか?」という2つのことが常に彼女の中にあったと思う。
そして、公演をむかえる数日前に2度の陣痛が既にきており本当に公演当日を迎えられないかもしれないと何度も思った。
しかし、その日はやってきた。
多くの仲間達に暖かく見守られながら
彼女は1時間弱のダンス公演を踊りきった。
この公演で何が伝わるだろうか?
彼女のプランを聴き演出している時には分からなかったことだけど、
公演後には多くの人達から
アツいアツい、愛のある感想を沢山聴かせてもらうことができた。
そして、この公演を通じて僕も
彼女のことをさらに深く知ることができた。
そしてその晩のこと
彼女は破水した。
夜中の3時ごろ
「いくよ!」
というかけ声がどこからか聴こえてきたかと思うと
お腹から「パン‼︎」という音がしたらしい。
レンちゃん(子供の胎児ネーム)が羊膜を蹴破る音だった。
羊水が流れ出し、明らかに今までの陣痛とは
違ういよいよな状況となった。
今回の出産では一つ大きな決断があったことをここに書いておかなければならない。
それは
『"父"である僕が産まれてくる"赤ちゃん"をとりあげるということ』
色々2人で考えた末、そういう考えに至った。
最初は何故かそんなことやってはいけない事のように
思えたけれど、
先人達の成功体験を知った事、
特に
『ダンナ産婆プロジェクト』という
旦那を産婆にするプロジェクトをされている
COCO-ZIONの佐藤陽介さんから
多くの事を学び
自信がつきハラが決まった。
破水後1〜2時間ほどすると微弱陣痛が始まった。
「ダンス公演を終えたら
自分たちへのご褒美として食べよう」
と言って買った2つの桃を食べた。
ここで面白い事があった。
僕が食べようと思っていた方の桃を
玲子が食べたいというので
そっちの桃を彼女にあげた。
すると、彼女が食べた桃の種だけが
食後にぱかっと割れて、
中の胚乳が姿を現した。
縁起が良いと2人で喜んだ。
当初、2階で産む予定だったけど
急に玲子がお風呂に入りたいと言い出し移動した。
お風呂は水中出産もできるよう
アルコール消毒をした後
麻炭と波動塩と酒で作った羊水風呂を用意しておいた。
お風呂に浸かると
玲子の様子が変わり
それまでの微弱陣痛でなく
強い陣痛が1〜2分おきにやってくるようになった。
いよいよという感じだ。
手を握って欲しいというので
両手を握り2人の間に輪を作った。
玲子が生命の根源と繋がった野性的な声を出すのを聴きながら
思わず僕も声が出た。
例えば彼女が
『あ"〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜』
と言えば
僕は
『あー--------------』
と安定した音を出し倍音になった。
後で聴くとこれがよかったそうで
出産のイノチの重みを僕が幾らか持ってくれているように彼女は感じたようだった。
それから、彼女が力強く手を握ってくる力を
平均化訓練で自分の身体の弱い筋に流した。
そうする事で彼女の身体の弱い筋にも力が流れ、全身でお産できると分かったから。
今まで僕らが出会い、身につけてきた全てのモノの助けを借りながら
7月1日の朝10時
その子は水中の僕の手の内にふわりと降り立った。
本陣痛から僅か1時間ほどで
スルリと産まれてきたその子は
目元玲子似/鼻と口が聖史似な
元気な女の子だった。
丸1日経った今日はおっぱいを吸うのが少し上手くなったのと、
胎便をいっぱい出してぐっすり眠っております💤
ともかく僕は父に、玲子は母になりました。
臨月公演を見届けて下さった皆様、
これまで私達を愛し見守って下さった皆様、
本当にありがとうございます。
玲子に代わってお礼申し上げます。
またぜひ顔を見に遊びにいらしてください^ ^