整体師で料理人の田中庸平さんと交換セッションをした。
彼も僕も整体師なので
お互いのボディケアは日常的にやっていることで9割方出来ている。
今日はそれでも取りこぼした1割のホコリやノイズをお互いに見つけ合うようなセッションだった。
まずは僕から庸平さんへの施術。
彼の足に触れる。
彼が彼自身の世界観を構成する為に今まで身につけてきた多くのこと。
それはもう十分過ぎるほどあって
むしろその中で結局彼の血肉にはならず余ってしまい、彼の身体の中に澱のように残ってしまっているノイズ。
彼が彼自身を統合することを
いつも邪魔しているそれらのノイズを
ひたすらに取り除く作業だった。
彼の場合既に相当整っているので
本当に最後の仕上げを任されたという感じ。
その話を庸平さんにすると
「音楽でいうところのマスタリングだね。」
と言われた。
次に庸平さんから僕への施術。
最初は僕が椅子に座った状態から。
彼が僕の身体に触れると
僕の身体の内側から自然と動きが現れた。
ずっと彼に導かれるようにして
活元運動や平均化訓練をしているような感覚。
次にベッドに寝た状態での施術。
この時に凄いことが起こった。
彼に足の指を触られていると
僕はふいに寝てしまった。
気がつくと僕は夢の中で
もの凄い不安な気持ちに襲われたながら
真っ暗な僕の家のなかにいた。
真っ暗なのだけど家の扉や階段やキッチンなどは白い線で描かれたようなそんな感じ。
次に耳元で「ゴゴゴゴゴ」という音が聞こえてきた。
その音はやがてどんどんと大きくなって
僕の目の前には灰色のホコリのようなものが舞い上がり、
不安な気持ちのまま灰色の嵐のど真ん中に
1人佇んでいるような
そんな状態になった。
僕はその音でハッと目を覚ました。
目を覚ました後もしばらくその音は大きく鳴り響き続け、
やがて
徐々に小さくなっていって消えた。
そのあとは施術されている間も目が冴えたようになって割とずっと目を開けていた。
手足の指先がドクドクしていた。
僕の知らないところで、僕の何かが大きく変わったようなそんな気分。
クラムボンのFolkloreみたいな世界。