人間の頭というものは急激に進化した分厄介なものでいつも身体を置き去りにして一人で先走る。
だけど、頭だけが先走り、それに反応して身体が動かない人の願望は叶わない。
強い思いがあったとしても、その力が現実と噛み合うことが無いからだ。
平均化訓練を続ける中である日、身体のエネルギー循環に動員されず、頭の中だけで個別の流れをつくり
ぐるぐると回っているだけの「思い」のエネルギーに出会った。
その力を丹田のあたりまで下ろしてあげると、
身体のエネルギー循環に変化がおこり丹田と背筋の間の二本の筋にらせん状に回転する、新たな力が流れ初めた。
イメージと身体の出会いである。
その事が面白くて脳と肚の関係に興味を持つと、人間の脳は胎児の時に原脳→小脳→大脳の順番で
分岐して出来上がると主張する人の文章にいくつか出会った。
彼らによるとこの原脳とはなんと腸のことなのである。
心は内臓から生まれる。この画期的な理論の先駆者に三木成夫さんがいる。
現在、最も原始的な生き物とはミミズではないか。
ミミズとはまさに腸が食事と排泄だけを繰り返し、自ら動き回っているような生き物である。
このことからも「腸>脳」という考えが、あながち間違いではないと思えた。
話を初めに戻そう。
そもそも、人間の頭は複雑な現実に高速で反応し判断し決断し行動することがあまり得意ではない。
では何が得意かというと、
「今私が目指すべき一点を身体に教えてあげること。」
【身体のリーダーとしての頭】がするべきこととはそんなことではないか。
あとの判断は、信頼できる現場/すなわち「身体」に任せればよい。
身体はいつだって、リーダーが進むべき方向さえ示してくれれば、
力を合わせ、最も合理的にそのことが達成されるよう、全力で働く所存なのである。
だから頭は身体にとっていつでも信頼のおける"リーダー"でなくてはならないし、
身体もまた"リーダー"にとって信頼のおける"現場"でなくてはならない。
私達の身体が瞬間瞬間を生き、感じとった事が即、現実の世界へと生き生きと表現されるとき。
それは私達の「頭」と「身体」の信頼関係の賜物なのだ。
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